【カンタン開運習慣】毎日アレを感じれば幸運に!#26 (2020年02月27日) - BIGLOBEニュース

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どうすれば幸せになれるの? それは全世界すべての人の願いで、たくさんのスピリチュアル・マスター、学者、宗教家、成功者などもその仕組みについて語り続けています。仏教の教え、引き寄せの法則などのスピリチュアルメソッド、心理学研究などー幸福の山頂への登り方はそれぞれだけど、すべてに共通する幸せの法則は、今この瞬間に幸せを感じればいいということ。それは老子の教え、「足るを知る人こそが豊かな人である」にも通じます。そこで今回は、ちょっぴり恐怖体験な珍事件をご紹介しながら、肩の力を抜いて幸せになるための真髄をご提案します。

取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani

【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 26



アメリカで体験した、新月の夜の謎の儀式。

アメリカの禅センターで暮らしていたとき、毎月新月の夜にハングリー・ゴースト(餓鬼)の儀式というものがありました。その夜はみんなでゴシック音楽のような英語のお経を唱え、食べ物をお供えし、法螺貝を吹いて銅鑼を叩き、祈りを捧げて踊るのです。


それは暗い禅堂に蝋燭が灯され、禅仏教とハロウィーンが混じったような不思議な世界。東西どちらともつかない雰囲気に度肝を抜かれ、ハングリー・ゴーストと餓鬼が一致せず、思わず禅センターの先生に「ハングリー・ゴーストって何なんですか?」と尋ねました。先生の答えは、世の中と自分の中にある貪りの心を象徴するもの、でした。


ハングリー・ゴーストってなんぞや?


仏教画などに描かれるハングリー・ゴーストの姿は喉が針ほど細く、手に取るものすべてが炎に変わってしまうので、いつも喉を乾かし、お腹を空かせています。儀式はこの飢えと乾きの心を留め、懺悔して、分をわきまえて必要以上に求めず、満たすことを目的としていました。


足るを知る人こそが豊かな人。

私たちが幸せになれないのは煩悩のせいだと仏教では言われます。ハングリー・ゴーストのようにいつも満たされない欲望、怒り、執着が苦しみを生むのだとか。ところで「足るを知る」という言葉がありますよね。これは老子の「足るを知る者は富み、つとめて行う者は志有り」が由来とされています。その意味は、満足することを知っている人こそが豊かな人で、結果に執着せず志を持って努力し続けなさい、ということ。


思考は現実化する!


満足できる人は豊かであるという教えは、思ったことが現実になるという引き寄せの法則に通じるものがあります。

引き寄せの法則は、量子力学の考えをベースにした幸せを叶えるためのメソッドです。量子力学では、この世界のすべては最も小さな単位で見れば素粒子という物質です。そして、それは物質であると同時に振動する波なのだそうです。この記事が載る画面、座る椅子、口にしたラテ、あなた自身、そして隣の人など、見た目も性質も違う存在は、それぞれ固有の振動数を持つ波、波動を持っています。素粒子レベルで言えば、目には見えない思いや感情もまた、物質と同じように固有の波動を持っています。

引き寄せの法則では、同じ波動のものが共鳴して引き合うと考えられています。そこで、願う現実を物質化(引き寄せ)するには、目の前の現実がどうであれ願いが叶ったときの意識状態(波動状態)の心地よい気分を保つ必要があるといいます。「嫌だ」「不満だ」と思い続けていると、愛するべき人たち、咲き始めた梅の花、好物のラテもハングリー・ゴーストのように炎にしてしまい、いつまでたっても満たされる現実が訪れないというのです。


幸せの4割を決める、私たちの行動。

この教えを科学研究も形を変えてサポートします。例えば心理学研究によると私たちの幸福度は、楽観主義だったり悲観主義だったりと、同じ状況でどれだけ幸せを感じられるかという遺伝要因が50%を決定します。ところが意外なことにお金持ちかそうではないか、彼氏がいるかいないかという現実の状況、環境要因が占めるのはたった10%。代わりに「どう行動するか」がその4倍の40%を左右し、変わらない現実の中でいかに幸福になるかのカギを握ります(1)。つまり科学的に言っても幸せを現実化するには、なるべく心地よい気分を選択することが肝なのです。


ストレスなら、もう無理をしない。

そこで無理をして高級ホテルに行ったり、手が届かないようなブランド服を買おうとしたり、特別なことをする必要はありません。そうなるとハングリー・ゴーストの目論どおりで、心理学でいうヘドニック・トレッドミル(快楽のトレッドミル)状態となり、ひとつ願望が達成されるとその喜びを味わずしてまた次を追い求め、いつまでたっても心が満たされず、止まらないランニングマシンで走り続けるような状態になります。それで楽しければいいのですが、それって疲れませんか?


そこで無理のない範囲で心地よい気分(波動)を選択するように意識を矯正していくと、やがてそれが現実と同調していきます。目の前に喜びを見つける訓練とも言えます。例えば温かいお風呂につかってホッとする。お気に入りのラテを飲んで「美味しい」と寛ぐ。元気になれる漫画を読んだり、キレイな夕焼けを見る。大笑いできる動画を見るなど。心と体の緊張を解きほぐして、目の前の現実と調和できることならなんでもいいです。

そして忘れてならないのが、満たされない気分を転換させてくれる「ありがとう」という感謝の心や言葉の力。感謝研究の権威ロバート・エモンス博士は、感謝がなぜ幸せを叶えるのか、4つの理由を挙げています(2)。



感謝の心が幸せを叶える4つの理由。

1. 今この現実を祝福できる。

目の前に与えられているものを当たり前ととらえて不感症にならず、その喜びに気づくことができます。

2. ネガティブ感情を遮断する。

仏教では人間の苦しみの根源は、貪り、怒り、愚かさの3毒とされています。ある人に対して感謝の心を抱くとき、毒となる感情を同時に持つことはできません。

3. ストレス耐性が高まる。

トラウマや試練研究において、感謝の心を持つ人は逆境からの回復が早いことがわかっています。感謝の視点を持って、一見ネガティブな人生体験を解釈できたとき、トラウマや続く不安感から立ち直れるようになるでしょう。

4. 自尊心が高くなる。

誰かがあなたの人生に貢献してくれたことに気づいて感謝することで、自分はその有難い行為に価するような、大切に扱われる人間なのだと再認識し、自己価値を上げられます。


もののけ姫の怪。


©土居彩

先日ちょっとした怪事件がありました。その朝なんと野生のタヌキが庭にやってきました。東京でもいるのだなと驚いて、朝食のリンゴを一緒に食べました。その夜中、言葉にならない、つんざくような女の人の悲鳴で、目を覚ましました。その女性は家の周りをぐるぐる回って「助けてぇー!!」「燃えるうぅーー!!!」と叫んでいるようです。それは大変だと、恐ろしい気分を抑えて1階へ降りると、「私は、グルと共にいます!」という叫び声がしたので、中から様子を伺うことにしました。玄関の電気をつけると声が止み、その夜は外に出ないことに決めました。

翌日、ドアの前に大きなリュックとスニーカー、コートに紙袋、玄関あたりの裏通りに黒い革靴が揃えて置かれ、ちょうどお風呂がある場所に脱いだ服、さらには汚れた下着まで脱ぎ捨てられています。まるで間取りを把握するようなその置き方に恐ろしくなって、すぐ110番しました。

すると警察官が3名来て、うち一人がリュックの中を確認すると『もののけ姫』のDVD……。神妙な顔をした警察官の方とすっかりビビっていた私は思わず顔を見合わせ、クスッと笑ってしまいました。このとき、体と心の緊張が少し緩みました。というのも自然がいっぱいのこの家はある意味、もののけ姫気分になるのに絶好のシチュエーションだからです。不法侵入されると怖いし嫌だけど、ここに入りたくなる気持ちがわからなくもないな、と。翌日は家を清め塩で掃除し、裏通りに塩をまきました。


新月は気持ちを新たにするとき。


カリフォルニアのバークレー市で暮らしていたとき、奇声、銃声は日常茶飯事でした。だからいつも背中にも目があるような意識で生活していました。日本に戻ってまだ数か月ですが、今はすっかり平和に慣れて気も緩み、安全で清潔な街に感動していた感謝の心も薄れて、あるものよりも無いものに目が行くようになっていました。この一連の出来事は、ハングリー・ゴースト化している私に気づかせてくれる一件でした。そして幸せというのは結局、目の前の現実をどう思うかという体験であって、幸福という完璧な現象があるわけではないということも。そしてその夜は偶然にも、うお座の新月でした。



土居彩

編集者。東京の薪割り暮らしを綴るブログ『東京マキワリ日記、ときどき山伏つき。』。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にてダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)、芸術家で社会活動家の小田まゆみ氏の『Sarasvati’s Gift』(シャンバラ社)を翻訳中。

参考:

1. Lyubomirsky, S. Sheldon, M. K., & Schkade, D. (2005). Pursuing Happiness: The Architecture of Sustainable Change. Review of General Psychology. Vol.9, 2, 111-131. DOI: 10.1037/1089-2680.9.2.111

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