第70回ベルリン国際映画祭が開幕!シガニー・ウィーバー最新作など世界の映画が上映 - Movie Walker
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本年度で70回を迎えるベルリン国際映画祭が現地時間2月20日より開幕となった。映画祭の総監督がマリエッテ・レイセンベックに、芸術監督がカルロ・チャタリアンに変わり、今年はベルリン映画祭にとって新しい時代の1ページの幕開けとなる。今年のコンペ審査員長を務めるのは、イギリスのベテラン俳優ジェレミー・アイアンズ。「世界中の才能ある監督、注目の新人監督の意欲作、新作の数々をここで観るのを楽しみにしている。審査員長に選ばれ光栄だ」とあいさつ。他アメリカの監督で『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)などを手掛けたケネス・ロナーガン、『アーティスト』(11)のフランス俳優ベレニス・ベジョ、ブラジル監督ケルバー・メンドンサ・フィルフォをはじめ7人が審査にあたる。
本年度のコンペには世界中から集まった18本の力作が上映される。英監督サリー・ポッター監督の新作でハビエル・バルデムとエル・ファニングが親子を演じる『The Roads Not Taken』(20)、米アベル・フェレーラ監督の新作ウィレム・デフォー主演の『Siberia』(20)、独クリスチャン・ペツォールト監督の新作で寓話をもとにした『Undine』(20)、他カンボジアやスイス、イラン、ロシア、台湾など例年通り国際色豊かだ。豪華キャストの派手な作品はないが、どれも監督の作風を重視した作品が肩を並べる。
本年度オープニング作品となったのは、コンペ作品ではなく特別上映部門ベルリナーレ・スペシャル部門の作品で、カナダのフィリップ・ファラルドーの『My Salinger Year』(20)だ。これはニューヨークで著作権エージェントとして働いた女性ジョアンナ・ラコフの原作の映画化。作家を夢見ている主人公が、幸運なことに著作権エージェントに就職、その会社はスコット・フィッツジェラルドやアガサ・クリスティーなど大作家の権利を扱う老舗エージェト。クライアントの一人で若い世代に圧倒的な人気を誇るJ.D.サリンジャーに送られてきた、ファンレターの処理をまかされる主人公の驚くべき体験を、職場と私生活という観点から追う。神のようにあがめられながらも、注目されることを嫌い隠遁者のような生活を送る伝説の作家サリンジャーと主人公の仕事関係、それにまつわる楽しい逸話を織り込みながらも、テーマは20歳そこそこの女性が夢を抱き自分探しをする女性の自立ドラマとなっている。
主演を演じるのは『フォー・ウエディング』(94)でマドンナを演じたアンディ・マクダウェルの娘で『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)でも注目されたハリウッドの新鋭マーガレット・クアリー。撮影当時まだ23歳だったという初々しい彼女が演じる主人公ジョアンナと、上司で堅物手腕女性エージェントであるマーガレットを演じるベテランのシガニー・ウィーバーの共演が見どころ。95年という設定だがそれよりも昔の時代を思わせる古風な著作業界という設定、それに合わせ90年代というより70年代風ファッション、高級ホテルやレストランなども登場、アメリカ東海岸ニューヨークならではの雰囲気もたまらない。主人公のボーイフレンド役を、イギリスのイエメン俳優ダグラス・ブースが演じている。
文/高野裕子
"幸運な" - Google ニュース
February 26, 2020 at 08:30AM
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