釣り場の落とし物 [大森均の釣れ釣れ草] - 大阪日日新聞 - 大阪日日新聞
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大森均の釣れ釣れ草
2020年2月28日
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| このマダイが釣り道具一式を連れて上がってきた |
釣りを題材にした漫画の古典的な情景で、大物と思ってサオを上げたら長靴の中からドジョウが顔を出している、おなじみのパターンがある。なぜか私は一度も長靴を釣り上げたこともないし長靴を海に落としたこともない。
しかし、靴以外の物なら数々の落とし物をしているし、獲物（？）を釣り上げている。その珍品の最たる物は泉南沖で上げたパンティーストッキングだ。このパンティーストッキングは誰が落とした、いや、脱ぎ捨てたのであろう。はるか遠くに陸が見えるような沖合の海底に、こんな物がどうしてあったのか不思議で仕方がない。
▽金塊を釣った人も
私の知る限りでは、二十数年前の新聞記事に東京湾で数千万円の金塊を釣り上げた人が取り上げられていたが、この金塊は落とし物なのか？ 犯罪の臭いがしないわけではないが、とにかく、この人以上の幸運を手にした人は聞いたことがない。対してそのような幸運からとんと見放されている私は、長い歳月にわたり、釣り上げるどころか遺失物として海中にまき散らしている。
その一話。大阪北港でスズキの大物一発狙いの夜釣りを敢行した。狙い通り電気ウキは漆黒の海の中を吸い込まれるようにユラユラと消えていった。「やった！」と右手は大きく天を突いた。７０センチはある大物をタモ入れしようと漆黒の海をのぞいたその瞬間、運悪くポケットから携帯電話がポロリ。当時は、携帯電話が１０万円以上したように記憶している。
残念で、ライトを照らして海中をのぞこうとして胸ポケットに入っていた英国製のライターも滑り落ちる２次災害。同行していた友人たちから「念のため、大森さんの携帯に電話したら１回目はチヌさん、２回目はスズキさんが出てきましたよ」と、傷口に塩をなすりつけるような無遠慮な言葉にも、思わず苦笑いをしながら涙目に…。
▽名人は強運も
不幸の分だけ他人のツキを見たり聞いたりする機会が多いことは、なお不幸だ。
大西満名人と和歌山県串本のカセ釣り（小船をイカダなどに固定して釣る釣り）に出かけた時の話だ。２本のサオを操る名人が片方のエサをセットしている最中、突然、もう１本のサオ先が海中に突き刺さった。ここで、普通であれば素早く対処して巻き取りに入るはずであるが、サオを固定しておくサオ受け金具の締め付けがゆるかったようだ。アッという間にサオ受けごとすべて海中へ。リール、サオ、サオ受けなど被害総額約５万円。さすがの名人も気落ちをしたが、その直後にまたもや大きくサオ先が締め込まれた。
強い引きをかわして取り込んだ５０センチのマダイの仕掛けに見覚えのある仕掛けが付いている。引き寄せるとつい先ほどあきらめたばかりの５万円セットがついているではないか。しかしその日はその回収したサオに運がついていたのか、そのサオばかりにアタリがあり良型のタイを６尾釣り上げた大西名人。転んでもただでは起きないというが、落としてもお土産付きとは。ただその強運をうらやむしかない。
週末のイチオシ気配
■船(1)■北港・大阪
神戸沖に出る半夜釣りのアジ＆メバル便で２５日、メバル１６〜２５センチ４１尾とアジ２６〜２８センチ２２尾。午後３時集合。オモリ３０号。要予約。▽ヤザワ渡船＝電話０６（６５７３）７７１２
■船(2)■比井・和歌山
ラングイの良型寒サバ上向き。２５日、同魚３６〜４５センチ５０尾。竿２．１〜２．４メートル、オモリ８０号、ハリス８号、針１０号、胴突き５〜７本針。要予約。▽岬丸＝電話０７３８（６４）２９７５
■船(3)■明石・兵庫
ガシラ堅調。連日、同魚１８〜２８センチ４０〜６０尾が竿頭。メバル１８〜２８センチ２〜８尾交じる。別船で呑ませ釣りのハマチ５０〜５５センチ２〜４尾。要予約。▽名田屋乗合船＝電話０７８（９１２）７２１１
■磯(1)■大引・和歌山
この時期マダイ大型（７０センチ級）が期待できる。フカセ釣り、カゴ釣りともにタナは６〜８ヒロ、エサはボイル。水温１５度。▽村井渡船＝電話０７３８（６５）１０４１
■磯(2)■袋・和歌山
一の島、モムシ、コジなど実績場は安定した釣果が見込める。グレ３０〜３８センチ５〜１５尾見込める。要予約。▽かわばた渡船＝電話０７３５（６２）００５２
■カセ■串本・和歌山
大型マダイ複数尾期待できる。２６日、大島筏横のカセで同魚５０〜７５センチ５尾。また、活アジを使って呑ませ釣りでヒラメ１〜２尾も。▽大裕丸＝電話０７３５（６５）０６０３
■波止(1)■武庫川一文字・兵庫
青コガネやパイプ虫をエサにしたヘチ釣りで良型チヌ堅調。２４日、４０〜５０センチ６尾（２ヒロ〜底）。３月より火曜日定休の通常営業。▽武庫川渡船＝電話０６（６４３０）６５１９
■波止(2)■南港・大阪
大浜ふ頭でチヌが落とし込み、またはオキアミのフカセ釣り、エビ撒き釣りで４０〜５０センチを１〜５尾。スズキは、カモメ大橋下白灯付近、住吉川で４５〜６０センチが１〜３尾。▽Ｔポート＝電話０６（６６８３）７７５７
■管理釣り場■芥川・大阪
ニジマス２０〜４５センチ３０〜４０尾と堅調。「放流前に居残りの魚をいかに釣っておくかが大切」と漁協談。▽芥川漁協＝電話０７２６（８８）０２２４
（大阪日日ＡＰＧ 松田勝也）
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February 28, 2020 at 07:45AM
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