【パリッコの「酒飲み12カ月」】レバーフライと缶チューハイ。春の佃島酒さんぽ - ZAKZAK
Judul : 【パリッコの「酒飲み12カ月」】レバーフライと缶チューハイ。春の佃島酒さんぽ - ZAKZAK
link : 【パリッコの「酒飲み12カ月」】レバーフライと缶チューハイ。春の佃島酒さんぽ - ZAKZAK

午前中に池袋でひとつ打ち合わせがあり、次の予定が月島のとある酒場取材で、午後3時半から。割とたっぷり時間がある。こんなとき、それを見越してノートPCを持ってきておいて、カフェなどで仕事をするのはもちろん選択肢のひとつだが、とりあえず気ままに酒でも飲んでおけば、それがまた原稿のネタになってしまうのは、酒場ライターの数少ない役得といえるだろう。もちろん僕は、迷わず後者を選んだ。
ひとまず普段からそう頻繁に訪れているわけではない月島の街に移動してしまうことにする。さてどこか飲める店はないか。頭上には抜けるような青空。慌てる必要もないので、あてなく歩きはじめてみると、すぐにあることを思い出した。このあたりは確か、いくつかの店で店頭販売されている「レバーフライ」が名物じゃなかったか。そこでスマホのマップで検索してみると、「元祖月島レバーフライ ひさご家阿部」という店が近い。しかも幸運なことに、午後1時の営業終了までまだ10分くらいある。間に合ってくれと願いつつ、早足で店に向かった。
「ひさご家阿部」、無事営業中。レバーフライが1本150円で、持ち帰りは2本から。2本注文し、途中のコンビニで缶チューハイも買って、どこかに落ち着く場所を見つけ、これで始めるとしよう。
ここはいわゆる佃島エリア。隅田川と晴海運河に挟まれており、水辺は公園として整備されていて、場所は選び放題だ。公園内の地図を見ると、島の突端あたりに「パリ広場」という場所がある。なんだか親近感の湧くネーミング。よし、ここに向かってみよう。

日差しがポカポカと暖かく、すぐにジャケットがいらなくなる。園内にはやたらと子供たちが多く、昨今のコロナウィルスの影響で学校が休みになっていることを思いだす。が、少なくとも、この広々とした場所で元気に遊ぶ子供たちにとっては、どこ吹く風という感覚なのだろうと、少し頼もしくも感じる。チュピチュピ元気に鳴く鳥たちの声がのんきな雰囲気に拍車をかける。
パリ広場は、不思議な空間だった。三角形のウッドデッキに、よく港町で色男が足を乗っけてる、船を係留するための、例の器具が等間隔にならんでいる。あれなんていうんだろう? と思って調べてみたら、「ビット」というらしい。へー、そんな名前だったんだ。が、周囲には柵が張られているので単なる飾りだろう。パリ感の演出というわけか。けどあれ? パリって海あったっけ?
まぁいいかと、パリ広場を見渡せる石段に腰かけ、レバーフライをつまみに一杯。これがさすが地元に根差した名物で、ものすごく美味しい。レバーは薄く伸ばしてあるが、それが信じられないくらいにぷりぷりむちむちと食べごたえがあり、甘い。かなりしっかりと揚げてあるのであろう衣は香ばしく、若干苦味すらあるくらいで、それがまた良いアクセント。酸味のある上品なソースに浸ってしっとりしている。とにかく全体のバランスが絶妙。レバーフライ2本で、500mlの缶チューハイが一気に空いてしまった。
再び歩きだす。どうやらこの先の、佃島の中でも小さな川に囲まれて独立したような一角に、古い佃煮屋が密集しているらしい。それは寄ってみないわけにはいかないだろう。
佃小橋という橋を越えると、高層マンションが立ち並ぶ水辺エリアとは対照的に、ものすご~く牧歌的な下町的風景が広がっていた。どうも既視感があると思ったら、漫画の「こち亀」によく登場したエリアだからと気がついた。平日の昼間で、しかもこのご時世もあるんだろうが、驚くほど人が少ない。なんだか贅沢な時間。

酒屋と駄菓子屋が合体したような店を見つけ、またまた缶チューハイと、つまみ用に25円の「ミニラーメン」を買う。本日の2軒目というわけだ。それから数軒立ち並ぶ佃煮屋のうち「元祖佃煮 天安」という店に立ち寄ってみた。今日は元祖づくしだな。目ん玉が飛び出るほど高級な「うなぎの佃煮」なんてのもあるが、手ごろな「生姜」と「いかあられ」というのをおみやげに買ってみた。
隅田川沿いの堤防を越える階段を登ってみると、一気に景色が開けた。河川敷の道の袋小路になった場所に、ベンチがいくつか並んでいる。よし、ここで飲ませてもらおっと。

さえぎるもののない日差しが全身に降り注ぎ、もはや暑いくらいだ。羽織っていだカーディガンも脱ぎ、Tシャツになって、久しぶりの強烈な日光を堪能しつつ飲む。
気持ちよくほろ酔いになって少しウトウトしたら、そろそろ時間になっていた。よし、もうひと仕事がんばるか! まぁ、次もの仕事も、酒を飲むだけなんだけど。

■パリッコ 酒場ライター。著書に『酒場っ子』『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』、スズキナオ氏との共著に『酒の穴』『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』。「晩酌ほろ酔いクッキング」(漫画ゴラク)「今日は早退します!」(東京ウォーカー)他、連載も多数。TV東京「音流~ONRYU~ 酒場サーキット」出演中。
"幸運な" - Google ニュース
March 21, 2020 at 01:42PM
https://ift.tt/2WIRPgL
【パリッコの「酒飲み12カ月」】レバーフライと缶チューハイ。春の佃島酒さんぽ - ZAKZAK
"幸運な" - Google ニュース
https://ift.tt/2qurWmU
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Anda sekarang membaca artikel berita 【パリッコの「酒飲み12カ月」】レバーフライと缶チューハイ。春の佃島酒さんぽ - ZAKZAK dengan alamat link https://padosberita.blogspot.com/2020/03/zakzak.html