台風15号で千葉県停電 千葉市動物公園の人気レッサーパンダ「風太くん」はピンチ脱出|ニフティニュース - ニフティニュース
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関東地方を襲った台風15号の影響で、千葉県内は大規模停電が発生し、台風の上陸・通過から4日目を迎えた12日もいまだ一部地域では復旧の見通しがつかなかった。内閣府は12日、同県の市原市や君津市など41市町村に、災害救助法が適用されたと発表。被災住民は厳しい残暑にも見舞われ、悲鳴を上げている。キツいのは人間だけではない。同県内の動物たちも台風被害に巻き込まれ、危機に陥っていた。
9日に千葉市付近に上陸した台風では、千葉県君津市で送電用の鉄塔2基が倒壊したほか、県内の電柱や電線が損傷。同県を中心に7都県で最大約93万戸が停電した。
東電は翌10日、11日朝までに停電を約12万戸に減らし、11日中の全面復旧を目指す計画を公表。ところが、11日朝になっても約46万戸で停電が続き、11日夜に記者会見した東電パワーグリッドの塩川和幸技監は、全面復旧は13日以降にずれ込むと明らかにした。
「想定が甘かったと反省している」(塩川氏)としたが、倒木が多かったため山間部に立ち入りにくく、送配電設備の損害状況を正確に把握できていなかったという。
大規模停電によりエアコンが使えず、テレビもラジオも携帯電話も当然ダメ。おまけに断水に見舞われたエリアも広範囲にわたっている。炊き出しや食料や水の配給、携帯電話の充電可能場所などの情報伝達でも通信障害が続いた。
「テレビもインターネットも見られず、どこまで復旧しているのか全く情報が入ってこない。復旧情報を防災無線で知らせてくれればいいのに…。スマホが充電できても電波状況が悪く、つながらない」との声も上がった。
台風被害に遭ったのは動物たちも同じだ。
千葉市若葉区にある千葉市動物公園では、園内の巨木が何十本もなぎ倒された。9日から臨時休園となり、職員らがフル稼働で復旧作業に当たり、12日から営業を再開した。
それでも台風の爪痕はすさまじく、シロオリックスの展示場である草原ゾーンでは、中央の巨木が根元から真っ二つに折れたまま。他にも複数のエリアが立ち入り禁止となっており、完全復旧には数日かかる見通しだ。
再開後、多くの来園者が訪れたのはレッサーパンダの展示場だ。2005年に愛くるしい立ち姿が注目され、全国的人気で同園のシンボルになった風太くん目当てだ。
若葉区は千葉市内でも最も停電被害が多かったエリア。風太くんは現在16歳と高齢で、人間でいえば100歳近い。ただでさえ、レッサーパンダは暑さに弱く、夏場はクーラーが欠かせない。来園者は風太くんが無事なのかを確認に訪れていたワケだ。
そんな心配をよそに風太くんは、屋外に設置された小屋でスヤスヤと昼寝。おやつタイムには小屋から出てきて、リンゴを頬張った。同園によれば「幸い停電はなく、台風の影響で死んでしまった動物もいない。もし停電になっていたら、風太くんも大変だったが、無事でした」とのこと。
災難を乗り越えた同園は、お隣の市原市にある国内最多のゾウの飼育数を誇る民間の「市原ぞうの国」のピンチも救っていた。
ぞうの国は停電4日目となった12日に「発電機が壊れそう。カバ、アザラシのプールに水を入れられない!」とSNSで救援を呼びかけ、千葉市動物公園がすぐさま発電機を貸し出した。想定外の被害に人も動物も手を取り合い、たくましく生き延びている。
台風による停電被害を減らすには電線の地下埋設が有効とされるが、高コストが妨げとなり、進んでいないのが実情だ。電線の地下埋設を進める「無電柱化推進法」は16年12月に施行。国土交通省は18〜20年度の3年間で、自治体管理の道路を含めた1400キロでの着工を目標に掲げる。
しかし、1キロ当たり5億円を超す埋設コストがネックに。ガス管や水道管の移設が必要なケースもあり、関係機関の調整に時間がかかるのも壁になっている。電柱は減るどころか年間7万本のペースで増えているというから、対応が必要だ。
2019-09-13 14:10:00Z
http://bit.ly/2LPz97L
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