新型コロナ感染で死線をさまよった元バレンタイン監督付スタッフが悲痛な叫び「甘く見ないで」【竹下陽二コラム】(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース

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 世の中、コロナコロナである。私の取材活動も縮小、制限せざるを得なくなった。それは仕方がない。先輩記者もよく言っていた。原稿より健康。命あっての物種だ。先日、ふと思い立って、コロナで大変なことになっている米ニューヨーク在住の大友人、ラリー・ロッカさんに連絡を取った。ロッカさんは元大リーグのドジャース、ヤンキースのやり手番記者。2004年、ロッテ監督にボビー・バレンタインさんが就任すると、記者を辞めて、バレンタインに同行。球団職員として、バレンタインをサポートした人物だ。53歳と若いし、健康体だから、コロナにかかっても大事には至らないだろうと思ってたが、とんでもなかった。聞けば「死にかけた。肺炎をこじらせて、人工呼吸器が必要なレベルだった」と衝撃の告白。早速、SNS上で緊急インタビューを試みた。

【写真】こんなご時世だから肘タッチ!?

 ―ロッカさん、大丈夫?
 「今はね。ありがとう」

 ―コロナですか?
 「感染しちゃったんだ。深刻だった。肺炎になったから。でも、幸運なことに、病院に行かずに家で自力で治すことができた。しばらくは、免疫ができたということかな」

 ―連絡遅れてスミマセン!
 「ものすごく、怖かったよ。恐怖におののいたよ。近くに住む92歳の母と接触する機会もあったからうつすようなことになったら、大変だし。幸い、母にもそれ以外の人にもうつすことはなかった。自分の知る限りだけど。神に感謝だよ」

 ―実際、ニューヨークはどんな状況?
 「こっちは、最悪の状況だ。リアルなSF映画を見てるようだ。コロナを甘く見ないでほしい。マイ・フレンド! お願いだから、気を付けて! そして、ボクのこと、忘れずにいてくれて、ありがとう!」

 ー忘れるわけないよ! ところで、発症から回復までの経緯詳しく教えて
 「できたら、病院は避けたかったんだ。3月1日に風邪の症状があって、6日まで大したことがなかった。でも、7日朝、背中と腎臓のあたりの激痛で目覚めたんだ。そして、熱と倦怠(けんたい)感に襲われた。症状は日ごとに悪化。3月13日に主治医のオフィスで検査を受け、陽性と分かった。もう、その時は、軽い肺炎の症状は出てたけど。医者には呼吸困難の症状がなければ家で安静にしてくださいと。でも、息苦しくなったら、助けが必要だよと。熱と体の痛みは、14日に消えた。でも、肺炎の症状は悪化していった。18日に911(緊急通報用電話)にかける寸前までいったんだ。でも、バカだから、自力回復にかけるギャンブルにでたんだよ。振り返ってみると、人工呼吸器が必要なレベルだったと思う。電話で話してても息苦しかったから。でも、その渦中では正常な判断ができないものなんだ。1人暮らしだし、ものすごく危険な状況だったけど、幸いなことに翌日から、症状は改善に向かったんだ。21日の時点では、軽いセキがでるぐらいの症状に落ち着いた。人生の中でこんなに具合が悪くなったことはない。世界中でたくさんの人が亡くなってることが、容易に理解できたよ」

 ―症状をもっと詳しく!
 「3月7日から14日までの症状を教えるよ。体の痛み。特に背中と腎臓付近。ものすごい倦怠感。解熱剤の効かない高熱。のどの痛み。耳の痛み。下痢。寒け。心拍数の増加。嗅覚がなくなり、食欲も減退し、体重も短期間で5キロ近くやせた。脱水症状になって、ほとんど、気を失いそうになった。ネガティブな考えが浮かんできて、精神が錯乱状態になった。これこそ、本当のナイトメア、悪夢だったよ」

 ―ロッカさん、持病ありましたっけ?
 「ボクは特に危険要因はなかったんだ。53歳で若いし、健康状態はすごぶる良かった。ここ数年はジムで運動してて、体調もバッチリだったんだ。コロナにかかるまではね。致死率も低いし、軽度の症状や全く症状のない人もいるのも事実。実際、母と闘病中に食事を届けてくれた兄ももう感染してて症状が出なかっただけなのかもしれない。それは、分からないけど、ボクみたいな例もあるから。十分に気をつけて。ひどい病気だ。かかっちゃ、ダメな病気。実は、ボクの弟が先にコロナが流行したイタリアで記者やってるから、状況をリアルに把握できた。他のアメリカ人より、アメリカで起こることも予想できて、気をつけていたはずなのに、かかってしまった。ワクチンができるまで、この不思議な生活が続きそうだね」

 ―メジャーも開幕が延びてるけど…
 「メジャーのレギュラーシーズン開幕も想像できない。ワクチンができないと…。クレイジーな時代だよ」

 ―ロッカさんの体験をコラムに書いていい? 今のニューヨークが明日の東京かもしれない。深刻さを伝えて、救える命もあるかもしれない。

 「全然、いいよ。今から約25年前。野茂がドジャース入りして、旋風を巻き起こした。ボクが書いた『NOMO in AMERICA』を君が日本語に訳してくれた。君は、真の友だ。愛する日本のみなさんに、もう一度、言うよ。コロナを甘く見ないで。外を出歩かないで、家族と一緒に過ごして。早く、ロックダウンしなきゃ、東京も危ないと思うよ」

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"幸運な" - Google ニュース
April 03, 2020 at 09:48AM
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