【さきたま杯回顧】好位の内をうまく立ち回ったノボバカラ(斎藤修) - netkeiba.com
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それにしてもノブワイルドが刻むラップはすばらしい。向正面入口、最初の600mまできっちり11秒台のラップを3つ並べて35秒2。重賞ではまだ通用しなかった2018年のプラチナCまではペースも安定しなかったが、重賞初制覇となった2018年秋のオーバルスプリント以降、浦和1400mでは、ダートグレードであるか地方重賞であるかにかかわらず、ほとんど同じように最初の600mで11秒台のラップを並べていて、あらためてそのオーバルスプリントで本格化したことがわかる。
ちなみに昨年のJBCスプリントでは逃げて5着に沈んだが、そのときは1コーナーを回るあたりまで外から2頭に競りかけられたことで2F目に10秒5というラップがあり、600m通過が34秒1。明らかにオーバーペースだったことがわかる。
今回は、冒頭のとおり競りかけてくる馬がなくマイペースの逃げに持ち込み、3コーナーから後続を引き離しにかかった。前走の休み明け初戦が案外だったため人気を落としていたが(6番人気)、直線を向いたところで、「これは逃げ切られた」と思って見ていた人も多かったのではないか。
逃げ馬の宿命だが、ノブワイルドがマイペースに持ち込んで逃げ切れるかどうかは、好位から中団に控えた馬の中に、浦和の短い直線でも差し切れる脚を使える馬がいるかどうか。今回は、その能力を持った馬が2頭いた。
差し切ったのはノボバカラ。向正面4番手から、3コーナー過ぎで2番手。直線を向いたところでノブワイルドとは3馬身ほどの差があったが、そこからゴール前で差し切った。
ノボバカラは4年前のかきつばた記念が重賞初制覇で、その年にダート重賞を3勝。しかしその後は勝ち星から遠ざかり、昨年5月の栗東Sが唯一の勝利。しかしながら地方のコーナーを4つ回る1400m戦では、ここまで6戦してすべて4着以内と安定した能力を発揮していた。
ひとつ勝因となったのは、内枠のジャスティンが控えたことで、スタートしてすぐに好位のラチ沿いがキープできたこと。小回りでも内外の砂厚がほとんど変わらない浦和コースでは、逃げ・先行馬にとってラチ沿いはヴィクトリーロード。それを初騎乗の森泰斗騎手が最大限に生かした。
ノボバカラにとって浦和1400mは今回が3度目で、昨年のオーバルスプリントが4着で走破タイム1分26秒0(稍重)、JBCスプリントも4着で同1分25秒7(重)、そして今回の勝ちタイムが1分25秒8(良)だから、きっちり自分の時計で走っての勝利だった。
ブルドッグボスは、ノボバカラのうしろから追いかける形で1馬身差の2着。JpnI勝ちがあるゆえ、別定重賞で1頭だけ他の牡馬より2kg重い58kgを背負って能力の高さは見せた。
その1馬身うしろがノブワイルド。ブルドッグボスは昨年末のゴールドCでも、最初の600mが35秒9という楽なペースの逃げに持ち込んだノブワイルドをハナ差とらえていたように、たとえノブワイルドがマイペースで逃げても、それを差し切るだけの能力差をあらためて示した。
ノブワイルドはマイペースの逃げに持ち込んだとはいえ、1〜2コーナーでは口を割ってなんとか折り合いをつけたような場面があり、さらに残り100mでばったり止まったところを見ると、やはりベストの状態にはなかったのかもしれない。
ブルベアイリーデは、3コーナーでもまだ7番手という位置からメンバー中最速の37秒2で上がって4着。この馬にとってはもう少し前がやりあってほしかった。
1番人気に支持されたジャスティンは冒頭のとおりスタート直後に位置取りを下げてしまったが、3コーナーからブルドッグボスと一緒に位置取りを上げて行った勢いは、おっ!と思わせるところがあった。直線で伸びを欠いたのは、やはり前半にロスがあったぶん。ダートでは初めてのコーナー4つの小回りコースで、何もかもがうまくいった東京スプリントのようなスムーズな競馬にはならなかった。
それにしても新興勢力の4歳馬2頭を4、5着にしりぞけ、上位3着までを占めた8歳馬が元気だ。
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May 28, 2020 at 04:00PM
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